キバウミニナ
殻の長さが約10cm、直径は約4cmまで成長する日本最大のウミニナです。
ちょうどパーティークラッカーぐらいの形、大きさです。
石垣島では、名蔵アンパルや川平湾河口、宮良川河口で見られます。
八重山諸島やインド太平洋の熱帯、亜熱帯地域に分布していて、海外では食用にされることもあるようです。
生息地はマングローブ林の泥地で、木の根元で密集している姿をよく見かけます。
稚貝のうちは【デトリタス】と呼ばれる落葉や動物の死骸などがバクテリアによって分解されて粒状化した有機物を食べ、成貝になると落葉を直接食べるようになります。
成貝の舌歯は鋭く刃物のようで、固いマングローブ植物の葉も噛み切れます。
海水に浸かっている葉は腐りにくく、マングローブ林内に溜まってしまいます。
そのため落葉を直接摂食できて効率よく分解できるキバウミニナは、マングローブ内の食物連鎖に重要な役割を果たしていると考えられています。
キバウミニナの空殻を宿としている大型のヤドカリも多いです。
大型のものは、わりと長距離を移動するそうで、マングローブ林から離れたビーチや海岸近くの陸地でキバウミニナの空殻を見かけることもよくあります。
キバウミニナの空殻を宿とするオカヤドカリ